LOST
2013/05/17
アメリカのドラマをDVDでよく見ています。初めはもちろん英語の勉強のためでしたが、最近はその目標を完全に見失っています(全く何てことだ)。
今観ているのは「LOST」という番組です。飛行機が事故である島に墜落し、40名以上の生存者がキャンプ生活を始める。その中で様々な出来事が起こります。人間関係の中でトラブルも生じます。
主人公のJackは現役のdoctorで、正義感・責任感が強くどんなに相手が自分勝手であろうと決して見放さない。それは観ているものがイライラするほどです。
誤解を含め、トラブルを起こし孤立してしまったメンバーに、彼は実にさりげなく声をかけます。
最近あまりメディアで「いじめ」の問題が語られません。でも、無くなっているはずがありません(無くなっていれば最高ですが)。教師はいじめが発生したときにJackにならなければいけないのです。生徒の誰かにこの役を期待するのは無謀でしょう。
常勤の教師だった時期に、顧問をしていたクラブでいじめが発生していました。前任の顧問の時に発生していたいじめですが、顧問が変わったタイミングでいじめを受けていた生徒が相談をしてくれたから発覚し、対処することができたのです。
その時に学んだのが「現象」としてのいじめです。世の中には「犯罪」とも呼ぶべきいじめがあります。これは警察とも連携して対処するべきもので今は話題にしません。そして、犯罪にあたるか難しいけれども、確実に被害にあった生徒の心を壊してしまう種類のいじめがあります。これを仮に「問題」としてのいじめと呼びます。この「問題」になる前段階が、教師が一番手を出しにくい段階、「現象」としてのいじめです。当人たちも「いじめ」の自覚はありません。いじめなのかただのケンカなのか判断がつきません。さらに、教師が下手に口をはさむとこじれる必要のないものがこじれたりするものもあります。だからここでJackの登場が俟たれます。「いじめ」において、どちらが間違っているかどうかなんて全く問題の外の話です。そんなことは後から解決すればいい。大切なのは「現象」としてのいじめを「問題」に発展させないことです。さらには、残念ながら「問題」に発展してしまったとき、誰かが「問題」の発生を教師に告げてくれることです。生徒の多くは「問題」の放置を望んでいません。ただ、教師がその問題にどのような取り組みをするのかわからないから不安なのです。Jackになら誰かがこっとりと教えてくれるはずです。