近頃の若いものは
2013/05/26
小学5年生の国語の授業で、古い時代を舞台にした物語文や日本文化についての説明文を読みます。そんな時に話の流れを止めてしまうのが、「いろり」「床の間」「縁側」「三和土(たたき)」「火鉢」などの言葉です。まず、見たことがないという生徒が大半です。一部の生徒が「博物館で見たことがある」くらいです。古い時代とは生活が大きく変わってしまい、懐かしいあの場所も若い子たちとは共有できなくなっています。
「死への恐怖」の意味も、もしかしたら私たちの世代とは異なるのかもしれません。小学生ですから「死への恐怖」というものを自ら感じることはないでしょう。でも、「死んだらどうなるのかな?」という質問に「天国に行く」と本気で考える小学5年生はどうやらいないようです。「悪いことをしたら地獄に落ちる」ということも彼らにとっては迷信でしかないのでしょうか。
小学5年生の特に女子生徒と話すときは一つ注意しなければならないことがあります。「サンタさん」には触れないということです。まさか頭から信じているわけではないのでしょうが、「信じていたい(努力してくれている両親のためにも)」のでしょう。一方、ディズニーランドが大好きな小学5年生にとって、ランドはミッキーマウスという不思議な生物が実際に生息し、生活しているお伽の国なのですね。「実はミッキーマウスは着ぐるみで中にはアクションクラブの俳優さんが入っていて、声は録音された声優さんの声を流しているだけだ。」と教えてあげたら、さてどんな顔をするでしょうか。
なんでも信じればいいというものではありません。でも、信じられないことはやはり少しさびしいものです。小学5年生も、私たちも。