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最近の若いもんときたら…

最近の若いもんときたら…

2013/06/13

 小学校高学年の国語の時間、明治から昭和の農村を舞台にした小説を扱った問題を解説していると、「三和土(たたき)」「囲炉裏(いろり)」「茅葺き(かやぶき)」「火鉢(ひばち」がわからない。さらには「縁側(えんがわ)」「升(ます)」最近面白かったのは「機織り(はたおり)」、「旗」を作ることだと考えてしまうようで、これまた説明が大変です。いつか何かの機会で話題にしようとしていた時に次のようなことがありました。


 高校生の英語の教材で、“Net Ship(インターネットから始まるロマンス)”をテーマにした文章を説明していた時のことです。私たちの世代にしてみれば昔見た映画 "You've Got Mail"のメグ・ライアンを懐かしく思い出すのですが、その生徒の反応はどこか不自然でした。そして、 トドメの一言。

 「先生、これは危険です。下手をしたら大金を取られます。」・・・で気が付きました。なるほど全くその通りです。


 私たちの世代を基準にして現代の若者の知識の偏りを嘆くのは簡単ですが、彼らが一つの文章を読んだときにこんなにも受け止め方が違ってしまっていることのほうがはるかに大きな問題です。一種のカルチャーショックすら感じます。彼らの受け止め方が間違っているということではありません。文章の理解・解釈は全く自由ですから、彼らと一緒に文章を読むのであれば、こちらが彼らの感性に合わせなければならないはずです。今回はテーマが〈メールでの出会い〉という、とても比較しやすい内容でしたからはっきりとその感じ方の違いが現出したのですが。しかしこれはえらいことです。たとえば「良妻賢母」などはどんな説明がふさわしいのでしょうか。現代の30年という年齢差は昔の100年を大きく超える世代間ギャップに相当すると思います。ほとんど異文化の人々と話をするようなものです。


 冒頭に挙げた些末な知識の欠落を嘆くよりも、彼らとの感性のギャップをどのように埋めるのか。そして、伝えなければならないあるべき姿とはどこまでなのか。教育というもののさらなる奥深さをしみじみ感じています。

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