あいたくて
2013/06/22
小学5年生の国語の授業で、工藤直子さんの『あいたくて』を教材に使用しました。とても素敵な詩ですし、短いものですから全文を紹介したいのですが、第一連だけの紹介にとどめておきます。
だれかに あいたくて
なにかに あいたくて
生まれてきた――
そんな気がするのだけれど
生徒に、「皆さんは何のために生まれてきたのでしょう?」と、質問してみました。小学五年生です。誰も答えられるわけはありません。でも私たちが生まれてきたのにはたくさんの理由があるはずです。そしてその中に一つが、「だれかに あいたくて、 なにかに あいたくて、」なのでしょう。
「皆さんは、誰に会いたくて生まれてきたのだと思いますか?」 お父さんでしょうか、お母さんでしょうか。そうではなくてこれから出会うであろう誰かでしょうか。将来育むであろう新しい家族でしょうか。友達でしょうか。 生徒たちは困ったような顔をしています。素敵な生徒たちです。だって答えられるわけがないのだもの。今はまだ。
一人の生徒が、「先生は誰に会いたいの?」と、問いかけてくれました。
少し考えて「神様」と答えました。
「神様」とは、キリストとか、釈迦とか、阿弥陀仏とか、アッラーとか、そういったなにかではありません。この世のすべてを司る完全な真理のことです。ある人はそれこそが「キリストの教えである」と考えているでしょうし、ある人はそれを「ムハンマドの言葉である」と考えています。またある人は、数学こそがそれであると、または科学こそが、哲学こそが、と。
まあ、なんfでもいいんです。ただ、いつかその前に立つことができたとき、自身を恥じることがないように、今の自分を磨き続けていきたいと考えています。そして生徒たちを正しく導くことが、そのための途なのです。一歩一歩、ともに歩んでいこうと思います、あえる時まで。