Shin塾
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けっこう大変なんです

けっこう大変なんです

2013/06/26

 卒塾生が遊びに(?)来てくれました。大学の社会学の授業で発表するレポートの作成に協力してほしいということでインタビューを受けて、そのついでに教師という職業についてのレポート作成に意見を求められました。大学の先生から渡されたというたくさんの授業プリントに目を通しながら思ったことは、教師の仕事は本当に大変なのだなということです。

 話がそれるようですが、学校というものは(塾も同じですが)一つの有機体つまり生き物です。その生き物がどのような形・色・生態を持つのかはその有機体を構成する生徒一人ひとりの思い・行動により決定されます。放っておいたらどこに向かうのか見当もつきません。とても素晴らしい結果を生むかもしれませんし、そうでないかもしれません。教師はその有機体をとりあえずあるべき姿(それは個々の学校・塾によって様々でしょうが)に導くために全力を尽くします。そして、多くの生徒はその方向に向かって着実に歩を進めますが、中には素直になれない生徒もいます。どちらが悪いかという議論以前に、その生徒はその学校(塾)には合わないのです。教師はその生徒のあり方を否定し、ほかの多くの生徒に迷惑がかからないように指導します。これを「個性の否定」ととられるか、「集団の中での個のあり方の指導」ととられるかで先生の評価が決まります。

 

 さて、生徒やその保護者の方がその教師(講師)を否定的に評価した場合、塾ならば話は簡単です。講師の変更を求めたり、場合によっては退塾という選択肢もあります。そのハードルはそれほど高いものではありません。しかし、これが学校となると、教師の変更や退学などはほとんど絶望的なケース以外には考えられません。結果を見れば生徒や保護者の意見よりも、学校の先生は圧倒的にその立場が強いのです。先生はその有利な立場を利用して指導を進めることもできます。しかし、多くの教師は生徒や保護者になんとか理解してもらう努力を選ぶのです。だから大変なんです。


 教師の仕事がいかに大変か、改めて説明するまでもないのですが、ただ、「いい先生になりたい」と思うのならば、教師の道を選ぶのはやめたほうがいいでしょう。ありのままでいいのです。その自信がないのならば今すぐ教師をやめるべきです。

 教師の仕事は「導く」ことです。そして一方で「学ぶ」という義務を有します。自分の専門教科をさらに学ぶ、教科指導法を学ぶのです。日々の生徒たちとのやり取りの中で語り方を学び、保護者との衝突の中で何かを学びます。そして困難や挫折の中でさらに学びます。そんな学びを続ける教師に対し、ある生徒は「いい先生」といい、ある生徒は「いやな先生」といいます。

 虚飾や付け焼刃は結局通用しません。教師は「ありのまま」が高くも、また低くも評価されます。だからやっぱり大変なのです。

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