Shin塾
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新しい居場所

新しい居場所

2020/03/16

 新型コロナウィルスの感染拡大による影響の大きさについては今更改めて書くまでもありませんが、私個人にとっても新しい気づきのきっかけになりました。

 私の周囲でも感染防止のためほとんどの学習塾や習い事が一定期間をお休みにしているようです。Shin塾はもともと生徒さんの数が少ない時期なので、最大19名が入れる教室に同時に在室する人数を4名までに制限して開講しています。

 また普段は平日に県立高校で非常勤の授業を毎日3~5時間担当しているのですが当然現在は授業がありません。いつも元気に挨拶してくれる生徒たちに会えないのは淋しいものです。夏休みと同じと言われればその通りのはずなのですが、あるはずのものがなくなるというのはなかなか理屈では割り切れません。昼間やることがないので自宅の周囲をあちらこちら散歩しています。公園では子供たちが元気に走り回っています。学校も塾も習い事もない、室内でのゲームにもあきた子供たちの実にすがすがしい光景です。この光景が特に新鮮に映るのにはちょっとした理由もあります。、普段の週末、子供たちが遊びたくてもこの公園のグラウンドはソフトボールの練習をする部活動の学生や大人たちが独占して利用しています。(もちろん正式な手続きはしているはずです。)子供たちはせっかく公園に来ても滑り台やブランコの周りでゲームをするか、無為に自転車を乗り回すしかないような有様です(あくまで個人の印象ですが)。でも今だけはこども達がそれぞれサッカーをしたり、キャッチボールをしたりと実に楽しそうです。

 学校はもちろん、塾も習い事も子供たちには大切な活動で、大切な活動であると同時に、「居場所」でもあることに今回の騒動で教えられました。そして今、この公園で、子供たちはもう一つ、新しい居場所を見つけたかもしれません。

 

 昭和の時代には子供たちは自分たちの居場所を自分たちで作ることができていました、いやまあそれしかありませんでした。(数人の仲間で資材置き場のようなところに勝手に入り込み、漫画などを持ち寄って「秘密基地」を構えたりしていましたね。)でも現代の子供たちにとってどこかを勝手に居場所に決めるなんてことは無理な相談です。能力による結果ではもちろんなく、社会環境の変化による結果です。でもこの変化は悪いことばかりでもなく、子供たちの安全面からすれば飛躍的に改善された結果なのだとも理解しています。子供たちの安全にかかわる変化である以上、この変化は逆行することはありません。

 結果として現代の子供たちは街中を自由に駆け回る自由はある程度制限されてしまいました。でもその代わりに昭和のほとんどの子供たちにとっては遠くから眺めるしかなかった世界 ― 英会話やコンピュータープログラミング、あらゆる芸術、あらゆるスポーツ、そして学問 ― を現代の子供たちはその身近な居場所としてのびのびと駆け回ることができます。

 そしてこれまでとは異なる世界観を備えた彼ら・彼女たちが作り上げる20年後30年後の新世界はどんなものになるのでしょう。期待せずにはいられません。

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